2019年7月2日公開



 神奈川県伊勢原市上粕屋にある比比多神社、またの名を子易(こやす)明神といいます。ほんの少し先から伊勢原市子易となるので、この神社が地名の由来になったと思われます。”子易”の読みの通り、子宝安産の霊験あらたかな神社となっており、向拝の柱を削ったものがお守りとなっているほどです(今は禁止)。なお、三ノ宮の”比々多神社”とは同じ読みで距離も近いですが、この二社は論社(延喜式内社の後裔と推測される神社)という関係になります。












 拝殿の庇の下に奉納札が下がっていますが、東京の浅草や神田といった地名が見えます。いくつかに”見番”の字がありますが、見番(けんばん)とは三業組合(いわゆる芸者を抱えた花街)の事務所のことです。一見、子宝安産とはかけ離れている業種にも思えますが、拝殿内に歌川国経(うたがわくにつね)の「美人図絵馬」が掲げられていることと関係があるのかもしれません。美人図には、中央に花魁(おいらん)、左右に新造と禿(かむろ)が描かれています。1800年頃に描かれたものといわれ、伊勢原市の指定文化財になっています。





左側の板絵が歌川国経美人図絵馬

2019年6月撮影

  
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