2019年6月17日公開



 王子神社より300メートルほど離れた場所にあるのが王子”稲荷”神社です。関東稲荷の総社となっています。落語「王子の稲荷」の舞台となったことや、大晦日に行われる大祭「狐の行列」が知られています。狐の行列は、関東一円の使い狐が大晦日に王子稲荷に参拝に集まる伝承を再現したもので、この伝承を題材にした歌川広重の「王子装束ゑの木大晦日の狐火」が知られています。この浮世絵は絵馬の絵柄にもなっていました。


 絵馬は先述の広重の浮世絵からのものと、鬼女図がありました。この鬼女図(柴田是真作)は王子稲荷の社宝として蔵されています。伝説によれば、この鬼女は、酒呑童子の家来茨木童子が化けたもので、切り落とされた腕を取り返した場面を描いたものです。なぜ、この絵が王子稲荷に納められたかについて、面白い話があります。絵を納めたのは砂糖商人の組合でしたが、砂糖の専売権を江戸幕府から取り返すために伝説に準えて描かせたものでした。おどろおどろしい絵柄ですが、一旦失われたものを取り戻すという意味があるようです。





額面著色鬼女図より

2019年6月撮影

  
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