20トン電車のあれこれ
架線・電池の切り替え
2014年1月10日公開
TYPE OF 20TON

 宮浦駅で使用される20トン電車(9、11、12号)は常時、電源車(デ形)を引き連れており、電池を多用(全てではない)して入換を行なっています。いっそのことテンダー式電気機関車と呼んだほうが相応しいような気がするほどです。
 架線⇔電池の切り替えはそれほど頻繁ではありませんが、架線⇔無架線をまたぐ時には走行しながら切り替える場面も見られます。また、電池の充電はパンタグラフより行なうため、仕業前にはパンタグラフが上がっていますが、入換時はパンタグラフを畳んで電池に切り替えるという、通常の電気機関車とは逆の光景が見られます。仕業終了時には再びパンタグラフを上げて、翌日の稼動に備えます。
 この架線⇔電池の切り替えは、運転室内のレバー操作によっており、浜(2位)側の前面窓の間に半径30センチはあろうかという大きな蒲鉾型のスイッチがでんと据え付けられています。スイッチはレバーの位置によって、上位、中位、下位の三段があり、それぞれパンタグラフの状態から推測するに、上位=架線、下位=電池となっているようです。中位の位置には切とあることから、どちらもオフの状態。


(2006年10月宮浦)停止中、パンタグラフは上がっている(レバーは中位に)。


(2005年2月宮浦)停止中、パンタグラフは上がっている(レバーは上位に)。


(2013年11月宮浦)停止中、パンタグラフは畳まれている(レバーは中位に)。


(2006年10月宮浦)走行中、パンタグラフは上がり、レバーは上位に。


(2011年11月宮浦)走行中、パンタグラフは畳まれ、レバーは下位。


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(2011年11月宮浦)走行中、パンタグラフは畳まれ、レバーは下位。

 20トン電車が”走行しながら”の電池→架線の切替は、M化学工場から出場し、かつ仕業終了(昼休み含む)の際にしばしば見ることができます。写真は、この日最後の工場出場(タンクは空荷)として黄タンコを推進する9号電車です。ちょうど東泉町2号踏切を通過する際に電源切替のシーンを見ることが出来ました。


(2013年11月宮浦)いつものように東泉町2号踏切手前で一旦停止。


(2013年11月宮浦)踏切に進入する。この時点では電池より給電されているが、パンタグラフの上げ紐に手が掛けられる。


(2013年11月宮浦)日差しを浴びる9号電車。


 上の写真をアップで。走行中ですが、運転士は席を離れ、切替レバーに手を掛けています。この時点ではパンタグラフは上がり掛けの状態です。計器類を見ると、圧力計(右下)以外の電圧計電流計は0を指していますので、20トン電車には電気が供給されておらず、惰性で走行していると思われます。。


(2013年11月宮浦)パンタグラフが完全に上がり、架線走行に切り替わっています。

 ところで、切替レバーが電池(下位)でかつ、パンタグラフが上がっている場合には、20トン電車には二重に受電されることになり、大変危険な状態となります。このための安全装置といえるものがパンタグラフに備えられています。目立たない小さな装置ですが、パンタグラフが上がる際には、機械的に電池からの受電がオフとなる仕組みと思われます。


(2013年11月宮浦)9号電車のパンタグラフ。パンタグラフ菱枠から垂れるヒレと、それを受けるスイッチが確認できる。スイッチに繋がるのは電池からの母線と思われ、パンタグラフが上がると、機械的に切断となる仕組みになっている。ヒレについては、11号電車のディテールも参照のこと。


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