ヒト形
10トン積み無側車
2012年3月15日公開
Type of HITO

 ヒト形は10トン積み平台車で、三池では無側車(アオリ戸を持たない)とも称しました。いわゆるフラット・カーで荷台は鉄張り、連結器も下作用式なため上面に凸部がありませんが、形式図によれば、積荷固定用と思われる埋木(?)が等間隔に8箇所設けられています。
 わたしが見たヒト形は2両のみで、港駅の施設課港工場にてヒト11号と、同工場内にて同形態の無番車1両を確認しています(主電動機と思われるものを載せていた)。

 『竣工図表』によれば、昭和27年にヒナ形より改造(18両)、同年にヒヤ形より改造(12両)とあり、計30両(ヒト1〜30号)が誕生しています。その後、昭和31年に2両がリル形に改造、昭和40年代半ばまでに一気に26両が廃車となり、ヒト11、20号だけが残っていたようです。このことから前記の無番車はヒト20号の可能性が高いと思われます。
 種車となったヒナ形(7トン積み)、ヒヤ形(8トン積み)はいずれも戦前よりの三池オリジナル台車で、それぞれ昭和15年集計でヒナ(34両)ヒヤ(12両)を数えています(さらにヒナ形は7トン炭車の台枠を再用して製造された)。昭和27年という改造年からすると、ハト形と同様、自連化によって10トン積みになったと推測されますが、残念ながら竣工図表には自連化の記事がありません。
 現在、宮浦工場にヒト形(と思われる)が3両確認でき、大抵は工場棟裏に留置されています。このうち、ヒト13号は、ハト形(その4)で触れたように、元ハト形と思われ、正統のヒト形ではありません。のこる2両はいずれも台枠まですっぽりとシートが被されているため形式車番が不明ですが、ヒト11〜12号と推測しています(ヒト12号は1997年に車番を確認)。


(1990年3月三池港)施設課港工場に留置されたヒト11号。下作用式の自連がヒト形の特徴である。


(1991年8月三池港)1年後に撮影したヒト11号だが、まったく動いた形跡はない(トロ台車は入れ替わっています)。


(2006年3月宮浦)シートが被せられているため、詳細不明のヒト形2両。


(2006年10月宮浦)推測だが、ヒト12号(二代目?)あるいは無番車(ヒト20号?)となっていた車両と思われる。


(2006年10月宮浦)これも推測だが、ヒト11号と思われる車両。


(2006年10月宮浦)ヒト13号は、ハト形を改造したと思われる車両で、上作用式の自連を備える。


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