車輌のあれこれ
セナ形炭車
その4
2013年2月25日公開
Type of SENA

 ひとまずセナ形の分類が終わったところで、もう少し細かいところも穿って見てみましょう。

 セナ形の側板中央にはセナ○○○と、形式と番号が入っています。番号が001から始まるのはセナ形だけの特徴です。三井マークは形式番号の真上、もしくは左に書かれますが、省略された車もまた多かったです。左端には荷重17t、自重○○t、右端には四角に数字が書かれます。四角で囲まれた数字は検査施行月と思われます。その横に元号が書かれた車もありましたが、省略されたものが多いので、この事から、1年毎の同月に検査入りするというサイクルになっていたのではと推測されます。なお、この検査標記はすこし古い写真では○-○仕立とも書かれています。
 検査標記の下に白丸が書かれた車がいました。休車(あるいは休車から一時的に復帰)した車ではないかと思われますが、真相は不明です。

 下の写真、セナ007号には炭箱上縁に白ラインの形跡が残っており、以前に何らかの区別が行なわれたようです。例えば『わが三池炭鉱』(葦書房1997)にも白ラインが入ったセナ形がいます。炭車に書かれたラインについてはほかにセコ形に黄(白?)ラインが入った時期が確認できます。これは推測ですが、在籍炭車の荷重が15トン-16トン、あるいは16トン-17トンと1トン刻みになった時期に、形式識別のためにラインが書かれたのではと思います。
 このほか、炭箱右隅に白三角が書かれた車がいましたが、詳細は不明でした。いずれにしても、鉄道模型で編成を組んだときには好ましいアクセントになると思います。




(二枚とも1990年3月三池港)船渠岸壁に並ぶセナ形。セナ007号には炭箱上辺に白ラインが残っている。


(1991年3月三池港)セナ297号。炭箱右隅に白三角。


(1990年3月三池港)ラストナンバー、セナ358号にも白三角マーク。

 手スリやステップの色差しは一定ではありませんでしたが(一部、黄色もあり)、炭箱の開閉戸テコには色差しがされていました。オリジナルのセラ1形には見られませんので、三池独自と言えます。


(1991年3月三池港)開閉戸テコに白の色差し。

 セナ形は元国鉄セラ1形(ホラ1形も構造的には同じ)ですが、三池仕様というべき、簡素化改造が行われています。気づいた点を列挙すると、まずは票差板が撤去されているのが目を惹きます。ただし、このセナ279号の写真(*『吉岡心平のホームページ』より)のように未撤去な時期も存在したようです。

 三池線内では不要な空制装置が取り外されたのは大きな改造箇所です。台枠上のエアータンク、台枠下のエアーシリンダーともそっくり外されていますが、セナ289号のように撤去忘れ的に残ったままの車番を確認しています。ブレーキについては、原型セラ1形の両輪両抱え式から、片輪のみの両抱え式(浜側車輪のみ制動)に簡素化されています。


(1990年3月三池浜)セナ088号の部分アップ(再掲)。セナ形の方向は統一されていたので、こちら側が港側となる(車両の向き参照)。車輪をみるとブレーキ(制輪子)がない。炭箱支えにはエアータンクが吊り下げられていた痕跡が残る。


(1990年3月三池浜)セナ188号の部分アップ(再掲)。セナ形の浜側になるが、こちらの車輪には両抱え式のブレーキが付く。なお、底開き式石炭車のため、ブレーキロッドは台枠中央ではなく、外側(底扉開放テコの反対側)に避けているのも特徴。


(1992年7月三池浜)メモがなく車番は不明だが、三池浜に留置されていたセナ形。なぜか、エアーホース以外の空制装置がそっくり残っていた。

 セナ形を上から見る機会はありませんでしたので、四ツ山からの俯瞰で確認してみます。オリジナルのセラ1形では、左右の側板を結ぶ2本の支持棒がありましたが、セナ形では撤去されているようです。


(1997年2月四ツ山)


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セナ形炭車その5