車輌のあれこれ
セナ形炭車
その5
2013年3月10日公開
Type of SENA

 セナ形の原型である国鉄セラ1形は、昭和32年より17トン積み石炭車として4129両が量産され、JR化直前の昭和61(1986)年度に廃形式となっています。新製車(昭和32〜33年度)のほか、セム8000、セム6000、セム4000、セム4500形からの改造車(昭和34年度以降)、無蓋車の部品再用車など、前歴は多岐に渡ります。わたしが初めて九州入りした平成時代にも廃車体として留置されていた姿を目にしましたが、その中でも外浜駅に留置されていたセラ1211号は間近に観察できましたので、セラ1形ディテール集としてセナ形と比較してみましょう。

 セラ1211号には、国鉄鷹取工場昭和35年改造、国鉄若松車両センター昭和56年改造の2つの銘板が付いていました。『石炭車の歴史』(*1)によれば、1211号は昭和35年1月に小倉工場にてセム4000形より改造となっていますので、現車とは施行工場が異なっています。セム4000型は昭和10〜12年度に305両が製造され、うち241両がセラ1形へ改造されています。なお、若松車両センターにて再改造された経緯は残念ながら不明です。
 ところで大牟田駅常備とあるのが目を惹きます。本来、石炭車には常備駅はありませんので(一部、本州に渡ったセラ1には厚狭駅常備となった車両もいたそうですが)、セラ1形の最晩年、大牟田駅に集結して三池港駅から金田駅(三井鉱山田川セメント工場)向け石炭輸送についていた車両ではないかと推測しています。のちにセキ6000形にとって代わられるかたちで引退したのではないでしょうか。

(*1)国鉄小倉工場若松車両センター著 1980


(1990年3月外浜)外浜駅に留置されていたセラ1211号。標記がかすれているが、大牟田駅常備の文字がある。
















(1990年3月外浜)国鉄鷹取工場昭和35年改造、国鉄若松車両センター昭和56年改造の銘板が付く。






撮影はすべて1990年3月外浜


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