<2020年4月現在>
現存する炭鉱電車の紹介

 1997(平成9)年3月の三池炭鉱の閉山後、4両の電車が大牟田市に寄贈されました。当初は公開されなかったため”保管”としていましたが、2007(平成19)11月に初めて一般公開され、さらに2016(平成28)年9月三川坑跡にて常設公開が始まりました。この4両の電車は”静態”保存となりますが、三池鉄道の”技術史的には最重要な車両”たちとなります。
◆アメリカ:ゼネラルエレクトロニクス製15トン電車5号機(旧7号:1908(明治41)製*諸説あり)
<解説>
”積込電車”と呼ばれ、三池港の貯炭場〜石炭船積機の炭車牽引用に導入。三池鉄道初の電気機関車として、また港湾荷役の電化という意義から技術史的価値が高い。1984(昭和59)年頃まで港駅の入換に従事した。
◆ドイツ:ジーメンス製20トン電車1号機(1911(明治44)製)
<解説>
本線用電気機関車として輸入された1〜4号機のトップナンバー。三池港に陸揚げ後に組み立てられ、最初の電化区間である四ツ山(のちに三池港)〜万田間に投入された。この20トン級の電車が標準機となり、同型機を16号まで増備した。1号機は1997年の炭鉱閉山まで現役。
◆日本:三菱合資会社製20トン電車5号機(1915(大正4)製)
<解説>
本線用電気機関車の増備として、ジーメンス社製20トン機をモデルに国産化した。国産初期の電気機関車として技術史的な価値があり、とくに三菱製は8両を数えた。5号機は1997年の炭鉱閉山まで現役。
◆日本:芝浦製作所製45トン電車17号機(1936(昭和11)製)
<解説>
本線用電気機関車として導入された電気機関車。20トン電車と通し番号だが、本線輸送力強化のため大型化された。以降は、同クラス機を増備。17号機は1997年の炭鉱閉山まで現役を務めた。

 1997年3月の三池炭鉱閉山により、旧旭町線(宮浦〜仮屋川)がM井化学専用鉄道として再スタートをします。5両の電気機関車が引き継がれ、最後の炭鉱電車として活躍しています。
◆日本:三菱造船製20トン電車9号機(1915(大正4)年製)*製造年修正
<解説>
本線用電気機関車として1916(大正5)年に増備。登場時の電化区間は港〜七浦間。これより若番の20トン電車が廃車済みのため、現役車両としては国内最古の電気機関車である。
1962(昭和37)年に電源車対応に改造され、現在も電源車デ形とペアを組み、宮浦駅〜工場間の輸送に従事。
◆日本:三菱造船製20トン電車11号機(1917(大正6)年製)*製造年修正
<解説>
本線用電気機関車として1918(大正7)年に増備。1962(昭和37)年に電源車対応に改造され、現在は電源車デ形とペアを組み、宮浦駅〜工場間の輸送に従事。
◆日本:三菱造船製20トン電車12号機(1917(大正6)年製)*製造年修正
<解説>
本線用電気機関車として1918(大正7)年に増備。三菱製としては最後の新製機となり、以降の増備は三池製作所が担当した。 1962(昭和37)年に電源車対応に改造され、現在は電源車デ形とペアを組み、宮浦駅〜工場間の輸送に従事。

◆日本:芝浦製作所製45トン電車18号機(1937(昭和12)製)
<解説>
本線用大型電気機関車の増備として17号機の翌年に新造された。19号とともに現在は宮浦駅~仮屋川間の輸送に就く。
◆日本:芝浦製作所製45トン電車19号機(1937(昭和12)製)
<解説>
本線用大型電気機関車。戦前の電車増備は19号で一旦止まり、蒸気機関車の増備が再開する。現在は宮浦駅~仮屋川間の輸送に就く。この19号機は、1964(昭和39)年に地方鉄道として開業した際、テープカット列車を牽いた。
 廃車された20トン電車2両、45トン電車1両が、部品取りとしてその姿を留めています。部品の欠損が見られるほか、長年の雨曝しのため外装の痛みが激しい。このままの状態では保存対象としては厳しい面が見られるが、いずれも車両としては貴重です。
◆ドイツ:ジーメンス製20トン電車2号機(1911(明治44)製)
<解説>
本線用電気機関車として輸入された1〜4号機の1両。なお、2~4号は、三井鉱山の資料では組立が完成したのは1912(明治45)年。正確な廃車時期は不明ながら、晩年は港駅入換用として在籍していた。
◆ドイツ:ジーメンス製20トン電車4号機(1911(明治44)製)
<解説>
本線用電気機関車として輸入された1〜4号機の1両。廃車時期は不明ながら、その後も引き続き港駅の施設課工場にて入換機として使用された。1956(昭和31)年にリール台車対応に改造。最終時はZパンタグラフを装備していた。
◆日本:東芝車輛製45トン電車20号機(1948(昭和23)製)
<解説>
車歴上は元南海鉄道ED5154号という経歴を持つが、実際には竣工後、直ちに三池鉄道に入線した。東芝製私鉄向け標準型の特徴をもつ。三池鉄道では本線用電気機関車として使用され、1997年の炭鉱閉山まで現役であった。